心の中の扉を開くとそこには黒がかった青色の感情が丸くなって座っていました。
私はその丸いものを藍と呼ぶことにしました。
藍は音楽に合わせてしばらく踊っていましたが、やがて動きは緩やかになりそこにしゃがみこみました。どうしたの?と尋ねると夜の海に行きたいと藍は答えたので、夜になるのを待って海へと出かけました。
そこにはいくつもの星と細い三日月が静かに輝き、海を優しく照らしていました。
波打ち際にちょこんと座った藍は波の音を聞きながら気持ちが穏やかになっていくのを感じていました。私はそっと柔らかな毛布で藍を包みました。
どのくらい時間が経ったのでしょうか。
海の彼方向こうにまぶしい光が景色を変える頃、一羽の白い鳥が飛び立っていきました。その瞳には藍色が輝きを放っていました。
今受けている授業の一つにアートセラピーがあります。
今回は絵を数枚描いたので、授業の後に絵本のイメージで小さな物語にしてみました。
自分が実際にセラピーを体感するとセラピーの優しさに救われます。言葉にできない気持ちや想いってありますよね。それを感じたままに表すことができるのです。
セラピーを終えて思うのは人は良くなろうとする力を持っているということです。
それは自分自身を癒す力とも言えますし治す力とも言えると思います。
今どんな状態であったとしても、たとえトンネルの向こうが見えないと感じていたとしても、私たちにはそのような内なる力を持っていることを忘れずにいたいですね。
それは自分の人生をあきらめていない、手放していないということなんだと思います。
お読みくださりありがとうございました。